ウチは非専門の専門なの

「静岡時代って、何のために作ってるの?」という質問を時折受ける。この間も受けた。

雑誌自体の大枠での考えは、記事「静岡時代って何?」(http://shizuokajidai.eshizuoka.jp/c30445.html)にあるようなことになる。だからそんなふうに答えるわけだけど、それで質問者が納得されることは少ない。ていうか、それにしては、目的とは関係ないような記事が多すぎやしないか? となるわけです。まあ、たしかにね。大半は直接関係ないわな。「ギャルゲーやりました!」みたいなコーナーすらあるウチの雑誌では。

でもさ、逆に訊きたいんだけど、ある目的(例えば「地域を盛り上げる」とか「若者のなんちゃらをなんちゃらして!」みたいな……。あ、こういう例がまず出るのが学生媒体ぽいですよね。大事なことですけど)のための実用性ありきだけで、企画が考え出され、列挙された雑誌なんてみんな読みたいかしら? まあ、読みたい人もいるだろうけど、結構限られてませんか? そゆこと専門にやってるひととかね。私だったら大学で配ってても、ちょっとね……。

まず、そういう、目的が明確な雑誌って、すごく端的なことを言えば、手に取るときわくわくしないんです。だって、それ読んだあとに自分がどうなるか、ある程度想像がつくでしょ?「この雑誌を読むと、こういうことがわかって、こんないいことがありますよ」みたいな、経路がはっきりしてるから。

あ、誤解されると嫌なので言っときますが、そういう専門性の高い媒体を否定してるわけじゃないんです。ていうか、そういうのってとっても大切だと思います。でも、ようするにウチは違うってことなんです。ウチは加藤周一じゃないですけど、「非専門の専門」ですから(笑)。それでとにかく、幅広い人に読んでほしい。多くの人に手にとってもらって、おもしろがってもらって、みんながウチの雑誌の名前くらいは知ってるっていう状況が作り出せてはじめて何かできること(先述の「目的」みたいなことね)があるんじゃなーい? っていうスタンスでやってるんです。

そういうわけで、ウチはパっと見ても、何の雑誌かわかりません。ごめんね。でも、それもひとつの戦略なんです。『静岡時代』を手に取ると、読者はそれで「何かがわかる」のではなくて「よくわからなくなる」ことを目的としてるんですね。季節ごと新しい雑誌ができて、配布されてるのを読者が見つけるたびに、「何やってるんだろう?」って思ってもらいたいわけです。

なので、はっきりとした「目的」って、まず最初にあるわけじゃないんですよね。自分たちがおもしろくて価値があるって信じてるものを、まあがんばって書いてるわけですよ。


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2010年07月24日 Posted byshizuokajidai at 23:33 │Comments(2)日々のあれこれ

この記事へのコメント
ハル? 書いたの。

わたしもこないだの、静岡時代はなんなのか、静岡時代は自己満足かどうかの話、引きずってます。

それで、そうなのよー、静岡時代「よくわからないなにか」であればいいなっていうのが、自分のなかでの結論に近い。
ソクラテスが問答法を助産術に例えたけど、静岡時代はその助産婦(助産士か?)的存在になれればいいなー、と。


学生団体で、目的があまりにも明確なのは、言葉悪いけど、ちょっと気味悪いよね。
そんなの真っ先に「大人の受け売り?」と思われかねないし。批判するわけではないけど。

その団体が賛成ばかりなのは、ちょっと疑問視しちゃうわ。反対勢力もいて当然なはずなのに。
あ、目指す方向が同じ、ってのが前提条件でね。
Posted by さき at 2010年07月25日 09:16
あたしじゃないでー\(^o^)/わら
まだこんな語れん\(^o^)/
Posted by ハル at 2010年07月26日 00:44
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